【本】『13歳からの地政学:カイゾクとの地球儀航海』感想

地政学という言葉を最近よく聞くようになり、気になっていたので実際に読んでみました。

目次

基本情報

まずは本の基本情報を見ていきましょう。

タイトル:13歳からの地政学:カイゾクとの地球儀航海
著者:田中考幸
発行所:東洋経済新報社
発行日:2022年3月10日
定価:1,650(本体1,500円+税)
ページ数:246ページ

内容紹介

目次

目次から内容を見ていきましょう。

プロローグ カイゾクとの遭遇

1日目 物も情報も海を通る

2日目 日本のそばにひそむ海底核ミサイル

3日目 大きな国の苦しい事情

4日目 国はどう生き延び、消えていくのか

5日目 絶対に豊かにならない国々

6日目 地形で決まる運不運

7日目 宇宙からみた地球儀

エピローグ カイゾクとの地球儀航海

13歳からの地政学:カイゾクとの地球儀航海/田中考幸

ざっくりあらすじ

高校生の兄と中学生の妹、謎の男カイゾクの3人の会話を通して今話題の「地政学」について分かりやすく学べる1冊です。

カイゾクとの7日間のレッスンの中で兄妹は世界について知り、自分の将来についても考えるようになります。
以下、それぞれのレッスンのまとめです。

1日目:
・海を支配するアメリカは最強の国(物も情報も海を通るから)
・情報を持っていても上手く使えなければ意味がない

2日目:
・核兵器を最強にする条件:①原子力潜水艦 ②海中からのミサイル発射能力 ③深くて安全な海
・遠交近攻(遠くの国と仲良くして近くの国の脅威に対応する)が地政学の王道

3日目:
・陸続きの大きな国は領土を守るのが大変(国境,少数民族)
・民主主義は暴力や流血なしに政権を代えられる

4日目:
・小国は遠交近攻で大国に対抗
・多くの国で王様と政治のリーダーがワークシェア

5日目:
・アフリカが貧しい理由は政治家がお金を欧米に流しているから
・多民族国家でもシンガポールのように豊かになることはできる

6日目:
・テロは弱い立場の人にとって有効な戦い方
・大国に囲まれた土地は周りの圧力を受けやすい(朝鮮半島,クリミア半島)

7日目:
・南極は誰のものでもないが将来土地の分捕り合戦になる可能性がある
・地球温暖化をポジティブにとらえる国もある(ロシア)

読んでみての感想

世界がもっと身近になる1冊

今、世界で起こっていることが幅広く分かりやすく学べるので、この1冊で世界がもっと身近になります。
13歳からのというだけあって、優しい言葉で書かれているので地政学になじみのない人でも興味をもって最後まで一気に読み切れるような地政学の入門書として最高の1冊です。

多くの知識が1冊の中に詰め込まれているので、どれかのトピックは必ず興味をそそるものがあるはずです。
もっと世界を知りたくなる、好奇心を掻き立ててくれる、この本を読んでいると学ぶ意欲が湧き出てきます。

中学生の頃に出会いたかった1冊

私はこの兄妹で言うと兄の方に似ていました。
テストで点数を取るために勉強して、目標も夢も意義もなく、なぜ学ぶのかもわからない中学・高校生時代を過ごしてきた人にとって、この本はその答えが詰まっているように感じます。
中学生の時にこの本に出合っていれば、もっとたくさんのことを興味をもって学べていたのではないかなと思うので、できるだけ早いうちに手に取ってもらいたい1冊です。

なぜを大事にしたいと思える1冊

  • なぜドルは世界中で使われるのか?
  • なぜ領土を求めつづけるのか?
  • なぜ戦争を起こそうとするのか?
  • なぜ大きな国の人々は外国語が下手なのか?
  • なぜ日本は東の果ての極東と呼ばれるのか?

今までの中学・高校の授業では形式的に習っていたことの背景では何が起こっているのか、なぜそれが起こっているのかを会話形式で深掘りしているので「なぜ?なぜ?」とどんどん読み進めてしまいます。
この本に書かれていること以外にも、このニュースはなぜ起きたのだろうなど日常生活のなぜも考えてみたくなるような1冊です。

自分にとっての世界の中心はどこだろうか?

兄妹はカイゾクの「自分にとっての世界の中心はどこだろうか?」という問いにそれぞれの答えを出しました。

まずは、兄の答えです。

地球に中心は存在しない。地球は丸く、常に動き続けているからである。無理に中心を探そうとすることは、自分の視野を狭めることになる。物事には様々な角度の見方ができることを自覚し、地球儀を遠くから静かに眺めるように世界を見たい。

13歳からの地政学:カイゾクとの地球儀航海/田中考幸

続いて、妹の答えです。

私にとっての世界の中心は、私です。そして私の中心が私であるように、世界中の人それぞれが立つところが、その人の立つところが、その人にとっての中心です。自分が見ている世界と、みんなが見ている世界が違う事をみんなが忘れないでいたら、世界は平和になると思います。

13歳からの地政学:カイゾクとの地球儀航海/田中考幸

学ぶことで自分の世界の見え方が変わり、考え方の幅が広がる。
そして、選択肢が増え、人生はもっと豊かになる。
私が留学に行って気が付いたことがこの本には既に書いてありました。
世界を知ることは絶対に面白いと確信できる1冊です。

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この記事を書いた人

あんののアバター あんの 大学生

現役女子大学生。
ラジオを起点に気になるエンタメを追いかけています。
エンタメをたくさんの人に届けるために発信していきます。

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